道を忘れし者 不死 · common · ZOMBIE 自分が冒険者だったことは覚えている——どこから忘れはじめたのかは、思い出せない。 生前は農夫だったかもしれないし、兵士だったかもしれない。昨日すれ違った顔見知りかもしれない。自分の名は覚えていない。囁くあの人に付いていくことだけを覚えている。先頭に立って道を探る癖は、いまも抜けていない。時おり、古株の冒険者が見覚えのある足取りに気づき、黙って松明を一本多く灯す。