選り好みする鍵 宝物庫 · common · KEY 自分にふさわしい錠前を、ずっと探し続けている。 これを試した錠はみな、あの感触を覚えている——鍵が合わないのではない。錠のほうが、格が足りないのだ。鍛冶屋は「鍵に記憶はない」と言う。だがこの一本、ある扉の前ではずしりと持ち上がらぬほど重く、別の扉の前では、自分から鍵穴へ飛び込みそうなほど軽い。